こぐれの家にようこそ
こぐれの家にようこそ
こぐれひでこ
早川書房 2005-04-21
イラストレーターやエッセイストとして活躍する、こぐれひでこさん。引越しが好きで引っ越しているわけではなく、やむを得ず、はたまた偶然が重なって、幾度と引越しを経験している。そんなこぐれさんの、58年間の住まい遍歴をつづっているのが、「こぐれの家にようこそ」。1996年に出版された「こんな家に住んだ」を大幅に加筆修正したものに、2001年に出版された「私んちにくる?」と同じテーマで書かれた新たなエッセイを追加したものらしい。2005年の4月に文庫として発売された本である。
引越し人生は、大学入学にあたって上京することから始まる。女子専用の下宿。トイレ、台所は共有で、風呂はなく、部屋は四畳半。この住まいからはじまった引越し人生は、目黒区青葉台の家に行き着く。なんとも羨ましい場所である。そして、どのような住まいなのかが書かれているが、文章で住まいの構造やらを伝えるのは難しいもんだと思った。正直、こぐれさんちの構造を正確には理解できずにいる。がしかし!優雅というか、ちょっと憧れを抱いてしまう生活ぶりは伝わってくる。心地のいい季節にはリビングダイニングと化してしまうテラス(私はベランダで朝食を食べるのが夢である。)、ブリキのようなバスタブ(こちらは絵でも紹介されているが、いわゆる普通のバスタブではないところに惹かれる。外国の映画でお目にかかれそうなもの)・・・などなど。家を通したサクセスストーリーと言っても過言ではない。
この間には、さまざまな住まいが登場する。日本を離れ、パリでの住まいも登場する。パリで家を買ったのだ。が、その家は手放している。家というのは、生活の場であるからして、家のことを書こうとすると、やはりその当時の身の上話も必要となってくるらしい。夫との出会いの理由こそ書かれてはいないが、早いうちから夫が登場している。そして、仕事のこともちょくちょく登場する。サクセスストーリーであり、自叙伝であり。だけどやっぱり、面白い中にも憧れを抱かせてくれる、家のお話である。




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