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沢田マンション物語

沢田マンション物語 沢田マンション物語

古庄弘枝
情報センター出版局

かつて、面白いマンションとして、テレビなどで取り上げられていたらしい、”沢田マンション”。私はそのテレビを見ていないが、夫婦二人で作り上げたマンションがある、と風の噂で聞いた。それが、高知県にある沢田マンションだ。本が出ているというので、読んでみた。

分厚い本だ。速読を身につけていないので、読み終えるまでにはけっこうな時間がかかった。

沢田マンションは、礼金・更新料がなく、家賃も入居時のまま上がることはない。なんなら保証人がいないくても・・・らしい。部屋のつくりは、同じものが一つとない。そして、部屋番号は入居順である。4階には池があり、エレベーターではなくスロープ。軽自動車までなら5階まで上がれてしまう。

とにかく面白いマンションなのだが、この本の多くを割いているのは、現在(出版時点での)の”沢田マンション”に至るまでのこと。なぜ、”沢田マンション”が生まれることになったのか、どのようにして”沢田マンション”はつくられていったのか。そして、これからの目標。

この本を読んでいると、人間は何でもやれるんじゃないか、と勇気づけられる。時間はかかるかもしれないが、やれないことはないんじゃないかと思える。普通、マンションを建てる場合、いろいろと専門の技術をもった人が必要となってくる。しかし、このマンションは、沢田夫妻が二人で作り上げたのだ。なのでもちろん、必要な資格や免許は、そのつど、二人のどちらかが取っている。そして、やはり並大抵のことではない。命がけの様子が描かれている。

「教わって何かをするようでは、目的は達成できん。自分で探求していく以外にはない」

小学校しか出ていない旦那さん、中学校を途中で辞めた奥さん。それでも、立派なマンションをつくりあげたのだ。学ぶより、やってみる、それが大切だと、身をもって教えてくれている。

2007年2月28日掲載
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