花とまいにち
花とまいにち
井出綾
主婦と生活社
おそらく、この”花とまいにち”というタイトルは、毎日に花がある、という意味なのだろう。しかし、この本を通して感じたのは、花は毎日なんだ、ということ。毎日、水を替える。毎日、切り口を切る。毎日、ちょっとずつでも、大胆にでも、アレンジを変えてみる。そんな風に、花は、毎日気にかけてあげたいもの。
花は、家の中に必要不可欠な存在ではない。しかし、家の中に、花という小さな自然があるだけで、心がルンルンする。華やぐ。気持ちが穏やかになる。風水には詳しくないが、生花を飾ると、運気的にもいいらしい。しかしきっと、飾る場所とか色があるのだろう。
おそらくたいていの家庭では、もらった花を花瓶に入れる程度なのではと思う。私自身は、特に花瓶にこだわらず、もはや収集していると言えるだろうガラス瓶に、その瓶の大きさにあわせて、一輪で刺したり、ブーケを刺したりしている。しかし、この本では、さらに多様。陶器の湯のみだって立派な器であり、急須だって花を生けられる。コーヒーカップしかり、徳利とぐい呑みだって、花を飾る立派な器。
そして、季節を楽しむ。夏には、ガラスの器で涼しげに、カラフルな花を。器の下にバショウのランナーを敷けば、もはや南国。秋は、陶器の器に、紅葉を中心にしたアレンジで秋らしさを。こんな風に、花と器で季節を楽しむ暮らしは悪くない。むしろ、ひそかな愉しみができてしまうではないか。花を飾る場所も、どこだっていい。洗面所でもトイレでも、本棚でも食器棚でも。
本の最終章では、「楽しむためのテキストブックとして」ということで、花を飾る上での基本的なことが書かれていて嬉しい。そう言えば、花に関して学ぶ場はない。小学生の時習うのは、めしべおしべ程度だ。花係がいたけれど、彼らは毎日水を取り替えていたぐらいに思う。花の手入れと言っても、毎日水を変えることすら、知らない人も多いと思うのだが、毎日、切り口を切るといいらしい。また、基本的な飾り方に関しては、主役と脇役を決めて、花どうしが競い合わないようにすること。
毎日の中に花がある暮らしをはじめるスタートブックとして。




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