マーサの幸せレシピ
マーサの幸せレシピ
サンドラ・ネットルベック
物語の後半から、どこかで味わったことのある感覚だな、と、頭の中をグルグルと、日本のドラマが駆け巡る。そして思い出したのは、SMAPの草なぎ剛が主演した「僕と彼女と彼女の生きる道」。設定は違うものの、子供を通しての感情の動き、本当の幸せに気付いていくあたりが、とてもよく似ている。
マーサは人との付き合いが上手ではないシェフ。客に対しても強気な態度。そんなマーサが、父親が見つかるまでと、死んだ姉の娘、リナを預かることになった。が、リナは全くご飯を食べようとしない。そんな折、マーサの働く店で、イタリア人シェフのマリオが働くことになった。リナとマリオの出現によって、マーサがだんだんと変わっていく様子を描いている。
後味もよく、心があったかくなる映画だ。マーサのヒステリックな部分と、マリオのあったかい人柄。相反するからこそ、しっくりとくる心地よさ。
映画に出てくる場面は、厨房とマーサの住まいが大半を占める。何度か出てきた、ドイツの町に降る雪の中をマーサが歩くシーンも、なぜか印象深い。
マーサの家は、シンプルな大人の住まい。シェフだけあって、見どころはダイニングキッチンだ。白いタイルに、青く塗られた模様が、可愛いらしくも派手ではなく、シックな印象。食器棚には、真っ白な食器が積み重ねられている。ダイニングテーブルとダイニングチェアの素材が異なるあたりには、センスが感じられる。
画で見る限り、そう広くはないダイニングキッチンだが、この場所での食事シーンが大好きだ。幸せなときには、とことん幸せを象徴する場所だからだ。
2007年3月7日掲載
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